14年間アトピー1日だって忘れたことないよ

どうもみなさん。

私はアトピー性皮膚炎の症状が出てから、もうかれこれ14年経ちます。

今27歳の男性で、とある大学の研究員として研究に勤しんでいます。

アトピーの症状から出てから、14年間1日たりともアトピーのことを忘れたことはありません。

今も治っておらず、最近はストレスから悪化をしてしまいました。

ですが、一番重要な、症状のコントロールは生活できる程度にはできています。

そこで、今回このブログを立ち上げて、みなさんとアトピー治療について知識を共有できたら良いと思っています。

 

まずはそもそもの病気の生い立ちから。 

  • 呼吸困難で死にそうになった

小さい頃(おそらく3~5歳)から咳が全く止まらず、よく気管支が炎症を起こして息ができない、ほとんど窒息するような発作を経験してきました。

胸にすーっとする軟膏を塗って、発作が起きた時は対処してましたが本当に息ができなくなって、死ぬほど苦しかったです

夜中に寝ている時にのたうち回ってヒューヒュー言ってるのを親が気づいて、薬を塗るというようなことをしていました。

町医者に見てもらっていましたが、風邪引いてるから抗生物質を出すね、ということでずっと抗生物質を飲んでいました。

もちろん風邪ではないので、全く治りませんでした。

 

  • 全く予期しなかった長期入院生活

いよいよ酷くなってきたので、小学4年の時に今はなき国立小児病院で胸部X線検査をしてもらいました。

すると、肺が全体真っ白になっていることがわかりました。

医者からあと一ヶ月で死ぬ可能性があるから、緊急で入院するようにと言われ、そのまま入院になってしまいました。

その時の診断はなんと結核の可能性があるとのことでした。

隔離病棟に隔離されて治療が始まりました。

痰がたくさん出てくるので、それを採取して結核菌がいるかどうか検査をしました。

あとは鼻の穴からドレーンを突っ込んで、鼻の奥から喉にある鼻水を吸って検査なんかもしていました。

この時は相当辛くて、ドレーンを突っ込まれた時は毎回ゲロってました。

結果、結核菌はいなかったことがわかり一安心だったのですが、その後小児の重症病棟に移されました。

私の病気の原因は、肺炎喘息を同時に罹ったということだったようです。

抗生物質投与と、気管支拡張剤(サルブタモール、日本名でベネトリン。他はアルデシンなど)を吸入して、治療をすることになりました。

ピークフローメーターといって、自分の呼吸量を記録できる装置があります。

僕は常人の1/2程度(確か100ぐらい?)しかなかったです。

小児重症病棟では、みんな小児がんの患者ばかりでした。

3ヶ月ぐらい入院していたときに、隣に当時の僕よりも小さい男の子が入ってきました。

僕は1年ぐらい入院していたのですが、ふと気づくとその子がいなくなっていました

僕は看護師の人には聞きませんでしたが、いなくなった理由は察しました。

すごく悲しくなりました。

 

    • 無事退院するも、新たな病気が待ち構えていた・・・

 

1年ほどかかって、ようやく退院しました。

いつの間にか学年も変わっていました。

家での治療はずっと続いていて、ピークフロー値とステロイド吸入だけは毎日必ずやっていました。

医者には、僕がなんで喘息になったのか、何に反応したのか調べたんだけど原因がわからない非常に珍しいタイプと言われて、研究したいと言われたのを覚えています。

その後は順調に回復し、中学入学したときにはほとんど喘息は治っていました。

その後は何も起こらず、部活にも入っていました。

ところが、中学2年にあがったときに体が痒くなり始めたのです。

 

高校に入学したものの、先生との相性が非常に悪く、私は問題児だと目をつけられていました。

また、からかい半分でヤンキー友達から肩パンのサンドバッグになってくれよなんて言われたものですから、ストレスが非常に大きかったのです。

そのストレスでアトピーが相当酷い状態に悪化し、それで初めてアレルギー専門のクリニックに行きました。

その時から現在まで、ずっとステロイド治療をすることなります。

学校に行きたくないがために、腕の曲げるところを掻き毟ってボロボロになって、もう曲がらない状態までやって治療のために休むなんてこともしていました。

 

  • 14年間治ったり、治らなかったり

それ以降、14年間ずっと標準治療でアトピーをコントロールし続けてきました。

基本的に春は一番酷くなり、夏は汗で痒くて酷くなり、秋は比較的安定しており、冬は乾燥肌のために掻いてしまいます。

一番好きな季節は?と言われた、もちろん秋です(笑)

食欲や勉強の秋なんてもんじゃないです。

自分が生きていけるかどうかの話です。

完璧に良かった日は14年間であるか?と言われたありません。

そもそも人間に完璧に良い日があるのか?そんなことはありえないと思っています。

ですが、一番重要な事は、私は14年間ステロイドの標準治療で生活できています。

もちろん、中には脱ステロイドと謳っているブログもたくさんあります。

中には成功されている方もいらっしゃるようです。

ですが、今後一生アトピーは出ない、”完治”なるものが存在するのか非常に疑わしいと私は思っています。

 

  • まだ完治できないけど、サイエンスを信じています

なぜ、サイエンスを信じているのか?

それは、今研究に携わっているから、科学の進歩を肌身で感じているのです。

アトピーは非常にメカニズムが難しく、分子レベルでの反応がわかってきたのはここ10年です。

50年前から使われているステロイド薬も、まだまだ完全には作用機構がわかっていないのです。

今の治療は対処療法でしかないという批判もあるでしょうし、その通りだと思います。

まだまだ完治には至らないですが、僕はサイエンスの進歩、力を信じています。

最近では、ゲノムワイド関連分析で全く検討もつかなかったアトピー関連遺伝子がわかったり

参考:http://www.src.riken.go.jp/group/resp/index.html

アトピー患者はStaphylococcus aureusという細菌、あるいは単純ヘルペスウイルスに感染している傾向が強いかも、といったことがわかったり

参考:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3122139/

Pimecrolimus cream(サイトカイン炎症に対する非ステロイド阻害剤)を早期から使用することで、長期的に 副腎皮質ステロイドの使用を大幅に減らすことに成功したということがわかったりしています。

参考:http://pediatrics.aappublications.org/content/110/1/e2.full

 

今後、このブログでは

  • 標準治療で治療している現状
  • アトピーってどこまでわかってるの?論文とか見てみよう
  • 薬代、結構かかるね。どれぐらいかかるの?計算してみよう

など書いていけたらと思っています。

 

ではでは。