TARCとCRACKレベルの論文 続きその4 免疫組織化学について

さて、今回はTARCの論文続きその4です。

 

 

atopic-dermat.hatenablog.jp

 

実験手法-免疫組織化学について

生体組織検査で穴開けした組織標本(3 mm)が最重症のAD患者(n = 5)および健康体のコントロール用被験者(n = 3)の病変部皮膚から採取された。皮膚組織標本は液体窒素で瞬間冷凍し、Tissue-Tek (Sakura, Zoeterwoude, The Netherlands) OCT Compound ( Miles Inc)に埋め込み、-80℃で保存した。凍った6-μmの部分を切り出し、アセトン中に固定した。サンプルは羊の血清(DAKO, Glostrup, Denmark)中でインキュベートし、その後うさぎの対人間TARC(Pepotech, Rocky Hill, NJ)とともに1時間インキュベートした。その後、ビオチン結合型羊の対うさぎ IgG( Vector, Burlingame, Calif)とともに60分間インキュベートを行った。サンプルは最後にストレプトアビジン-AP(DAKO)とともに30分間インキュベートした。洗浄後、(PBS-Tween)、サンプルはアビジンビオチン標識したアルカリリン酸複合体(DAKO)で30分間インキュベートした。基質としてナフトールAS-BIリン酸(Sigma, Steinham, Germany)を使うことによるケモカインと赤い染色が可視化されるまで、色素源として新しいフクシン両方に対してAP活性を示した。外因性のAP活性はレバミソール(Sigma)を反応混合物に対して追加することで阻害した。サンプルは最後にMayerのヘマトキシリンで対比染色を行った。

 免疫化学は私はほとんど知識がないため、この文章は訳はしましたがほとんど意味がわかりません。

ですが、この文章中のキーワードで調べてみると、どうやらビオチン標識という手法を使っているようです。

例えば、下の画像は同仁堂のビオチン標識キットからの引用ですが、恐らくこのような形でTARCのある部分を標識して顕微鏡で見えるようにしているのだと思われます。

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引用元:http://www.dojindo.co.jp/letterj/113/commercial/05_main.html

結果のページにTARCが染色されている顕微鏡写真が出ています。

結果的にどんな色に染色されるのかというと、青紫と赤です。

赤がTARCを示していて、青紫はその対比で見えやすくするために細胞核の染色に使われます。

赤色の染料はフクシンと言われる物質で、以下に示すような色です。

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引用元:フクシン - Wikipedia

そして、対比染色として細胞の核を染めるヘマトキシリンです。

どんな色を示すのか、実際Wikipediaの例に出ている画像を引用してみます。

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引用元:ヘマトキシリン - Wikipedia

これは非常にわかりやすいですね。

この青紫色がヘマトキシリンによって染色された部分です。

結果の部分は、また後日紹介します。

さて、実験方法の続きです。

実験手法-統計分析について

データはMann-Whitney U-testによって解析を行った。相関係数はスピアマンランク相関テストを使用して決定した。すべての比較は両側検定を使用した。P値は<.05で統計的に優位であるとした。

 

統計の方法については、U-testが使われているようです。これは、2つの母集団が異なる傾向を持つと考えられる時に使う検定手法です。

この論文では、健康な人とそれ以外のグループで比較が行われています。

その2群の間に、統計的に差があるかを検定したということです。

u-testについては、統計の解説をしている人たちにお任せしたいと思います。

 

以上が、Methodでした。

では、この次からいよいよこの論文の結果に入っていきます。

ではでは。